ふたたび時は進んで、数ターン(時間)ほどが経った、ノルダの街では。

ようやくアルィティア同盟軍の一行が、この街にまで辿り着いたとの噂が広まっていた。

この情報を耳にして、ドルゥア兵たちは慌てふためき、ならず者どもは我先にと逃げ出して行く。

無法の様相を呈して荒んでいた街にも、ようやく明るい兆しが訪れようとしていた。

 

 そんな中、万屋稼業のデッパ&ハゲこと ――― パッデン と ゲーハ の二人組。

この無頼漢のコンビもまた、ノルドァから出ていったのかと思えば、未だに街へと留まったまま。

しかも如何してだか、とある立派な < 屋敷 > を訪れて、今は其処で匿われてまでいる。

この街で指折りの規模を誇っていた屋敷の主は、デッパからは 「 オジキ 」 と呼ばれる 親戚の男 らしい。

尚且つ、無頼とは真逆な < アカネイヤ五大貴族 > の一人という、高貴な身分でもあるのだが。

アカネイヤ王国がドルゥア帝国からの侵略を受けた際に、いち早く王家を見限ってしまう愚劣の人物だった。

それ以前にも予てから自身の権力を翳しては、領民から好き放題に搾取することも全く厭わない。

またある時には、狙った娘たちを強引に自身の手籠めとしていた事まで。

しかし、このような非道の輩でも、一応はアカネイヤの大貴族なのだ。

ドルゥアからの解放を目指していたアルィティア同盟軍でさえも、簡単に介入出来ない相手だったのだ。

 

 そして、少年の仮姿で奴隷商に売り物とされていた、ミルォア大司祭の愛娘。

デッパから正体を見破られた挙句に、奴隷として買われてしまった ――― ルィンダ はといえば。

 

 

 

 当然ながら彼女もまた二人に連れられて、この屋敷の一室には居たのだが。

より一層に、悲哀の度合いが増した ” 惨い姿 ” となっていた。

仰向けにさせられた格好にて、首と両手の上半身を固定式の枷台へと拘束されている。

天井から垂らし降ろされた縄を用いて、下半身の胴体と両膝は宙ぶらりんに吊るされた状態だった。

もちろん着衣など何も纏わされてなどいない、産まれ出たままな姿。

更には特殊な器具にて、強制的な ” 開口 ” までさせられている有様なのだ。

 

 「 うほほいっ! 最高だよ、コレ。 噛まれる心配がないからさぁ、安心してオイラのをツッ込めれる 」

 素っ裸のハゲが熱り勃った自身の肉棒を、彼女の開け放たれた口腔へと出し入れしている。

もう既に何度か験されたのか、口内はおろか顔の周りなどにも白濁の汁が。

 「 かははっ! 生娘たちを甚振るための道具なら、沢山用意してあるからのぅ。 心行くまで楽しむといいぞ 」

 屋敷の主である親戚の男までもが、あられもない格好にて桎梏の彼女と下半身を繋いで擦り合わせている。

これでもかと言わんばかりに腰の責め加える陰部も、滴る破瓜の鮮血に混ざって溢れ出る白濁の汁が。

 「 やはり、オジキのところに隠れて大正解だったな。 此処なら、アルィティアの連中も容易に手が出せないだろう。

  それに色々と、面白そうな ” 玩具 ” まで置いて有るから、当分は退屈しなくても済むぜ。 ヘヘっ 」

 金属製の浣腸器具を手にしていたデッパは、棚の中に置かれていた他の責具を物色している。

これら以外にも、壁際に沿って置かれていた三角木馬や磔台などから、大小さまざまな責具や枷の類まで。

残忍な性格だった屋敷の主とは、縁者なだけあって同じ血が騒ぐのだろう。

 

 この一方で、男たちから寄って集って弄ばされ続けている、被虐のルィンダ。

逃亡することはおろか抵抗の一切さえも叶わず、言葉を発する自由までをも奪われてしまっている。

無力にさせられた非力な一身にて、ただただ否応もなく受け入れるしか術はなかった。

唯一彼女に許されていた行為は、ひたすらに悲涙を零させることのみ。

 

 「 しかし、パッデンよ。 流石は儂の甥なだけあるぞ。  前々から気に食わんかったんだ、この小娘のことが。

  大司祭の娘だからって、生意気にもニィナ王女から贔屓にされてたからのぅ。 

  いつか、グチャグチャの嬲り者にしてやろうと思ってたんだ。 今のようになぁ、かはははっ! 

  そらっ大司祭の娘、そろそろイクぞっ。 有難い儂の子種を、卑しい腹の中で受けるがよいっ! 」

 「 デッパ兄ィのオジさん。 射し終わったら、また場所代わってくださいよ。 今度、ケツマンも試してみたいから 」

 「 ああそうだ、オジキ。 この小娘を引き渡す前に、俺たちの従順な肉奴隷として調教しねぇか?

  向こうの依頼はさぁ < 娘の身柄と魔導書の確保 > なんだから。 別に、死ななきゃ問題なんてないだろう。

  そんな器具で無理矢理にじゃなくて、自ずと男のをしゃぶって来る淫乱な牝豚にさぁ。

  ・・・てか、ハゲ。 何度言わせりゃ・・・・・ はぁ、もういいよ。 デッパで 」

 

 

 非道極まる男たちが、悲哀窮まるルィンダへと、肉欲な限りを尽くしいる最中で。

この屋敷の場所から、すぐ近所であった ――― あの奴隷商のオヤジが営んでいる店舗では。

 

 

 「 さあ さあ、御兄さん。 こっち こっちぃ〜 」

 一人の凛々しい青年が、オヤジに誘われるがまま店の奥へと。

なんとそれは ――― あのアルィティア同盟軍を率いる マルシュ王子 だった。

たまたま店の前に居たところを、強引に店内へと連れ込まれていたのだ。

 「 さあ、如何だい。  奴隷は 要らねぇかい?  今なら 売れ残りの汚ぇガキばかりだから、安くしとくぜぇ 」

 「 こんな 子供ばかりを・・ なんて 酷い奴だっ! 」

 鎖に繋がれていた一同を目にした途端、驚きつつも激高するマルシュ。

実は店先には、看板らしきものが一切無かった。 代りに 『 イイ娘イマス 』 とポスターが張られているだけ。 

しかも描かれていたのは、彼が敬愛している実姉のエリシュ王女に似た美女。

ノルドァの街に疎かった彼が、此処ら近辺が ” 奴隷市場 ” だとは、全く知る由もなかった。

オヤジに誘われるがまま ”違う店 ” と思い込んで這入ってみれば、いきなり 「 奴隷 」 という文言が。

しかも居るのは、暗い表情で啜り泣いている年端のいかない子供ばかり。

半ば騙されてしまったような彼が、血相を変えて怒り狂うのも致し方はないだろう。

 「 命が惜しかったら、子供たちの鎖を解いて、此処から立ち去れっ! 」

 いきなり鞘から剣を抜き出すと、奴隷商のオヤジへと向けた。

 「 えぇ? アルィティア軍?!! うわぁ! なんか今日は、いろいろと散々な出来事だらけだよ! 」

 剣先を眼前へと突き付けられたオヤジは、ただただ竦み上がるばかり。

アルィティアの同盟軍が、ノルドァの街に来たとの情報は耳にしていたけれども。

まさか自らが営む店に、なおかつ己が引き入れてしまおうとは・・・。

 「 ってかさぁ、此処って俺の店なんだけど・・・ まあ取り敢えず、おーたーすーけぇぇー!! 」

 震える手で懐から枷の鍵束を取り出すと、少年たちの方へと放り投げた。

そのまま一目散に、自身の店から逃げ去ってしまったのだ。

 

 「 君達、辛かっただろう? でも、もう 大丈夫さ! 安心して 帰りなさい 」

 枷を外している少年たちへと、やさしい口調で声を掛けるマルシュ。

これを聞いて絶望しきっていた一同が、ようやくに明るい表情を取り戻した。

一斉に閉じ込められていた店舗から、元気いっぱいに駆け出して行く。

そんな少年たちの姿を、にこやかに見つめていたのだが。

 「 !!? 」

 如何してなのか? ――― たった一人だけが。

薄暗い部屋の隅の方にて、隠れるように留まっていた。 

衝立の向こう側から頭だけを覗かせて、マルシュをじっと見つめている。

 

 「 ・・・・・きみは、如何して行かないの? 」 

 マルシュが訝しく思いながらも、声をかけてみると。

 「 わたしは・・・・ 帰るところが、あり・・・ ――― と、いうよりも

  こんな恥ずかし過ぎる ” 格好 ” で、店の外へなんて絶対に出られませんから 」

 そう言いながら、頬を真っ赤に染めて照れくさそうに姿を現した。

その少年?もしくは少女?、声音から察するには後者のようにも思われるけれども。

見れば、ピンクを基調とした ” 女性用と思わしきローブのような衣装 ” を身に纏っている。 

しかもボディラインが透けて見える程の薄地かつ、とても大胆なスリットまで。

ただ下半身、股間に僅かな膨らみがあることから、多分に ” 少年 ” だとは思われるのだが。

 「 あっ・・・えぇ!? きみは 男の娘 だったのか。 でも、どうして そんな服を? 」

 困惑するマルシュも、つられて頬を赤く染めてしまっていた。

 「 ち、違いますからっ! っていうか、コレはですね。

  丁度、少し前くらいに売られていった、 お姉さんの隠し持っていた服なんです。

  実はわたし、ならず者からのカツアゲに遭ってしまって、有り金どころか着てる服まで獲られて。

  腰布だけの姿で街の路地裏に隠れていたら、今度は奴隷狩りに遭ってしまい此処に。

  お姉さんを買ったオジサンが 『 見るに堪えられないから、これでも着ろよ 』 って、恵んで貰ったんですけど。

  此処の店主まで、少しでも高く買い取ってもらえるだろうからと、嫌がるわたしに。

  強引にコレを着させられて、こんな化粧までさせられてしまって・・・。

  あっ!! だから、わたしは歴とした 男子 ですからっ! 男の娘 でもありませんからね、ホントっ!

  こんな声もあって、よく女っポイだのとは言われますけど。 LGDBとは全く無関係ですし。 

  それに わたしの好みは、色白の髪の長い・・・あの売られていった、ポニーテールのお姉さんみたいな

  お、オパぁ・・ぃがぁぁ、オマぁ・・あぁああぁ・・・  ぁうんがあ”ああぁぁぁっ?!! 」

 自身のことについて淡々と語っていた少年が、いきなり口籠ってしまった。

かと思っていたら、ついには鼻血までをも催してしまう始末。 

しかも下半身までもが、天高くにビンビンと勃起すら興してしまっていた。

さながら股間は、ピンクのテントが張られてしまったような状態に。

 

 今から寸刻ほど遡った、あの時に少年は ・・・ ―――

 

 

 

 デッパたちからルィンダの着衣が、剥ぎ取られていく様を横で覗き込んでいたのだ。

しかも、初めて異性の局部というものを、、直に間近で目の当たりとしたのだから。

それを話の途中でついつい思い返してしまい、若さ故もあって興奮が蘇ってしまったのだろう。

 

 「 あ、・・・うん、もう良いよ。 無理してまで話さなくても。 よく判ったからね、十分に・・・。 

  これからは君のことを 男の娘 だなんて、絶対に呼ばないからさぁ。 ゴメンよ。

  だったら、僕の持ってる替えの衣服と、君が着ている衣装を交換しようよじゃないか。 

  あと・・・ 秘密の店で手に入れた、僕の大事なビニ本なんだけど。 コレも君にあげるからさぁ。

  駅前で貰ったティッシュも何個か付けとくね。  あ、シィダには黙っと・・・ いや、何でもない。 気にしないで 」

 マルシュは自らの着替えと共に、エロ雑誌とポケットティッシュまでも少年へと手渡した。

 「 !? あ、ありぐぁとぉ、ございまぅ  」

 上向きにした鼻を片手で抑えながらも、それらを受け取る少年。

先ずは貰ったポケットティッシュで、さっそくに鼻血を拭った。

当然これの為にでもあるけれど、事後であろう行為の処理で使ってもらうつもりも込められている。

そして、エロ雑誌に気をとられつつも、着ていた衣装を慎重に脱いでマルシュへと差し出した。

 < この感触は・・・ これって絹織物だったんだ。 だけど、やっぱヤバいよね。 

  この薄々な感じの生地に、際どすぎるスリットのデザイン。 

  持ち主だった娘って、如何いうセンスで破廉恥も極まりない、こんな衣装を持ってたんだ? 

  うぅん・・・でも、如何だろう? シィダに似合うかなぁ、これ。 ・・って、こんな所に我慢汁が・・・ >

 あれこれと思いつつも、マルシュは衣装を綺麗にたたんでカバンの中へと納めた。

時期を見計らって想いを寄せるシィダ王女へと贈る前に、先ずはクリーニングへ出さねばとも。

ただ当の彼女が喜んで受け取るのだろうかは、まったく定かではないけれど。

 

 「 それじゃあ、僕は先を急いでいるから。 ・・・って。

  もうドップリと嵌り込んてるみたいだね。 僕の秘蔵だった、そのビニ本に 」

 貰ったエロ雑誌を、食らい付くように見入っていた少年。

着替えもそっちのけで、腰布一枚のまま。 股間は、三度目の勃起を興していた。

そんな姿を頬やかに見つめているマルシュは、何処か寂しげでもあった。

 「 すっ、凄いっ。 モザイク薄々過ぎて ほ、ほとんど丸見えじゃないですか! 

  それに最高ですよ。 このポニーテールのお姉さ ――― んあっ! そうだ、その服なんですが。

  売られていったお姉さんが 『 とても大事な衣装 』 だからって、凄く悲しんでましたので。 

  もしも、お姉さんに出会ったならば、返してあ・・・ アレっ!? 居ない 」

 突然、思い出したかのように少年が、あの衣装について語ったのだが。

既にマルシュの姿は、店の中から消え去ってしまっており、何処にも居なかったのだ。

 

 ちなみに ――― あの ” 衣装 ” は。 

父親のミルォアから愛娘のルィンダへと、誕生日のプレゼントとして贈られたものだった。

常に彼女は周囲の目も気にせず、この衣装を纏って過ごす程のお気に入り。

彼女にとっては、譲られたウォーラの書と同じくらいに、大切な思い入れのある装束なのかもしれない。

 

 ――― そして。

奴隷商の店から忽然と消えてしまった、マルシュ王子はと言えば。

とある ” 場所 ” を目指して、ノルドァの街道を懸命に直走り続けていた。

元々ノルドァの街へと立ち寄った理由は、其処へと向かうことが第一の目的だったのだ。

 

 「 あっ! マルシュ王子、いったい何処へ? もしかして、王子もですか? 」

 そんな彼の姿を目にして声をかけてきた、金髪の青年弓兵。

寸刻(ターン)前ほどに仲間となった、アカネイヤ軍のスナイパーである ジョリュジュ だった。

しかしマルシュは、彼の姿を一瞥しただけで直ぐさま走り去ってしまう。

 「 またしても、わたしに構うことなく 無言のままですか。 まあわたしも、向かう途中なんですけど。

  だけど本当に王子は、アカネイヤ王国の再興を叶えてくれるのだろうか・・・ 」

 無論、ニィナ王女の祖国アカネイヤを解放する為に、マルシュ王子は戦っているのだが。

何を以っても先ずは一番に ――― < 闘技場 > を目指していたのだ。

見れば、回復役のシスターや司祭たち以外、アルィティア同盟軍の全員が向かっている最中だった。

ただ闘技場は、一日(ターン)に一回だけで先着一名しか挑めない。 だから、皆が我先にと急いでいるのだ。

活動するためには、如何しても ” 資金 ” が必要なのである。

きずぐすりを買うさえにも、新しい強力な武具を購入するためにも、全て 『 ゴールド 』 が必要。 

しかも経験値を得ることまで出来て、レベルアップすらも兼ねられてしまうのだから。

特に同盟軍を率いていた、マルシュ王子にとっては尚更だろう。

それに、秘密の店にて新たなエロ雑誌を購入する費用を賄うためという、密かな目的もあったのだ。

 

 さあ、どんどん稼ぎまくれっ! アルィティアの同盟軍一行、 マルシュ王子!!

果たして、これから如何なってしまうのだろうか? 囚われしミルォア大司祭の娘 ルィンダ!?

 

 

 
 
 
 
 
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